ワクチンについての情報

オタフクワクチンの供給不足に関するお知らせです。

日本脳炎ワクチンの不足に続き、オタフクワクチンも生産上の都合により、今年いっぱいは不足することが確認されました。

オタフクワクチンは、1歳と4-5歳の時に2回接種する予防接種ですが、この不足により、現在の在庫分のみが1歳児への接種に使用されますが、在庫には限りがあります。

また、1回目の接種予定や2回目の接種予定のお子さんについては、来年まで接種を延期することになります。

繰り返しになりますが、ご理解とご協力をお願い申し上げます。

また、先日のお知らせでご案内した通り、日本脳炎ワクチンも今年12月まで不足することが確認されました。これに伴い、日本脳炎ワクチンの接種に一部制限を設けることとなります。

大変申し訳ありませんが、ご理解とご協力をお願いいたします。

制限内容に関するお知らせです。

  1. 一期の初回と二回目のお子さんについては、ご希望通りの接種を行います。
  2. 一期追加や二期のお子さんについては、申し訳ありませんが、年内の接種ではなく、ワクチン不足が解消される来年の接種になります。
  3. 二期のお子さんで年内に13歳になる場合は、13歳を過ぎると有料になるため、年内に接種を行います。

その他、ご事情については個別にご相談させていただきますが、上記を原則とさせていただきます。何卒ご理解の程、よろしくお願い申し上げます。

また、4-6歳時の四種混合ワクチンの任意追加接種についてもお知らせいたします。ポリオソークワクチンの発売中止に伴い、9月10日までの受付をもって終了することとなりました。ただし、百日咳やポリオに対する追加免疫は必要ですので、代わりに三種混合ワクチンとポリオワクチンの二種類、または三種混合の単独任意接種をお勧めいたします。

なお、出生から三ヶ月後に行われる四種混合の定期接種については従来通りとなりますので、引き続き受けていただくようお願いいたします。

お知らせがあります。

2020年10月からロタウイルスワクチンが定期化され、無料で接種が行われることとなりました。対象となるのは2020年8月1日以降に生まれたお子さんです(それ以前に生まれたお子さんは従来通り有料です)。接種は2回で、1回目は生後2ヶ月から14週6日(3.5か月)までの間に、2回目は生後24週(6ヶ月)までに受けていただくようお願いします。2ヶ月健診時とその4週間以降の接種をお勧めします。

また、日本脳炎ワクチンは6ヶ月からの接種をお勧めしています。詳細については「ふれあい通信No.94」をご覧ください。

さらに、2016年10月からはB型肝炎ワクチンも定期化されます。詳細については「ふれあい通信No.95」をご覧ください。

最後に、ワクチンの同時接種についてですが、適切な間隔を守りながら同時に接種することが可能です。詳細な情報は医療機関でご相談ください。

ご理解とご協力をお願い申し上げます。

B型肺炎ワクチンについて

B型肝炎はウイルスによって引き起こされる感染症です。主な感染経路はお母さんからの垂直感染(母子感染)や周囲からの水平感染(他の家族や同じ環境での感染)です。唾液や血液などの体液を介しても感染します。

乳幼児期に感染すると、慢性感染(キャリア)となる可能性が高くなります。慢性感染者は成人になると慢性肝炎や肝硬変、肝臓がんに移行するリスクが大きくなります。B型肝炎は感染力が強く、重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、予防接種によって抗体を作ることが重要です。

予防接種を受けることでB型肝炎への感染リスクを大幅に減少させることができます。定期接種によって予防することが推奨されており、医療機関で詳細な情報を受け取ることができます。

肝炎に関する詳細な情報や予防策については、医療専門家に相談することをおすすめします。

B型肝炎は症状が出ないため、感染しているかどうかは検査をしないと分かりません。成人になってからの感染は一過性の肝炎で終わることが多く、その後抗体を持つことができる場合がほとんどですが、中には劇症肝炎と呼ばれる重篤な状態になり、生命の危機にさらされることもあります。

日本においてB型急性肝炎の発生は減少していません。成人になってからの感染は急性肝炎として現れることがあり、その後慢性化することもあります。また、B型肝炎のウイルスにはAからHまでの8つの遺伝子型があり、日本ではC型が半数以上を占めています。B型とC型は慢性化しにくいとされていますが、近年欧米ではA遺伝子型のB型肝炎が増加しており、都市部では主流となっています。A型のB型肝炎は慢性化しやすく、肝臓がんのリスクが高いとされています。

したがって、B型肝炎は新生児期、乳幼児期、青年期のいつ感染しても肝臓がんの危険性があるため、予防接種を受けることが重要です。詳細な情報や予防策については医療専門家に相談することをお勧めします。

日本のB型肝炎ワクチンの接種状況

現在日本では母親がB型肝炎ウイルスを保有している場合のみ、健康保険で赤ちゃんにワクチンが接種されます(母子感染予防)。その他の赤ちゃんには有料となり、接種率が極めて低い状況です。

一方、世界の状況を見ると、WHO加盟国の193ヶ国のうち、177ヶ国が全ての赤ちゃんに対してB型肝炎ワクチンの普及を図っています。このような「universal vaccination(全国一斉接種)」の取り組みを行っている国々では、B型肝炎そのものとそれによる肝臓がんの発生が減少しています。

日本がこの「universal vaccination」を実施していない16ヶ国の一つであることは、恥ずかしい限りです。予防可能な病気にかかるリスクを持ち続けることになる、少数の国の一つです。この状況を改善し、より多くの子どもたちがB型肝炎から守られるようにするためには、啓発や政策の見直しが必要です。

感染のリスクは確かに全ての人が持っています

B型肝炎の感染リスクは、母子感染だけでなく、誰もが感染する可能性を持っており、日本人はそのリスクが世界でも高い国民の一部です。

この感染リスクを減らすためには、ワクチン接種の対象を母子感染だけでなく、全ての日本人に拡大することが重要です。すべての人がワクチンを受けて抗体を持つことで、感染のリスクを大幅に減らすことができます。

そのためには、universal vaccination(全国一斉接種)の体制を一日も早く整える必要があります。この課題に向き合い、ワクチン普及の取り組みを強化していくことが必要です。政府や関係機関、医療従事者、そして一般の人々が連携し、予防接種の普及に努めることが重要です。感染リスクを減らすために、universal vaccinationの実現に向けた取り組みを進めることが求められています。

接種スケジュールについて

  1. 初回接種:早めに接種することをお勧めします。欧米では新生児に第1回の接種が行われています。
  2. 2回目接種:初回接種から1か月後に行います。
  3. 3回目接種:2回目接種から4-5ヶ月後に行います。

なお、親御さんへの接種も行われています。

接種料金は1回につき5000円です。

日本脳炎ワクチンについて

第1期接種は計3回行われます。3歳時に2回接種し、1回目と2回目の接種の間隔は1~4週間開けます。そして、2回目の接種から1年後に追加接種1回が行われます。

第2期接種は1回のみで、9歳時に接種が行われます。第2期接種は、9歳以上で第1期の接種が終了しており、かつ第1期追加接種から1週間以上の間隔がある場合に接種が可能です。

未接種のお子さんについては、母子手帳を確認し、必要な接種を受けるようにしましょう。日本脳炎ワクチンの接種は重要な予防策ですので、早めの対応をお勧めします。

インフルエンザワクチン「フルミスト4価」について

今年のフルミスト接種は行わない予定であり、予約も受け付けないことをお知らせいただきました。 理由として、アメリカの状況や輸送体制の不確定要素が多いため、輸入が見込めない状況であることを挙げられています。 ご理解いただきありがとうございます。接種の予約に関しては、来年以降の状況を確認しながら再度検討されることが良いでしょう。

フルミストは、米国で製造されているインフルエンザワクチン

現在欧米で主流となっています。

フルミストは注射ではなく、鼻にスプレーするタイプのワクチンです。子供から成人まで受けることができます。

通常の注射ワクチンとは異なり、フルミストは鼻からのウイルスの侵入を防ぐために咽頭に抗体(IgA抗体)を作ります。これにより、ウイルスの侵入を阻止する効果があります。同時に、血液中にも抗体(IgG抗体)を作るため、感染しても重症化を予防する効果も期待されます。

フルミストの接種は2歳から50歳までの方が対象で、一度の接種で終了します。ただし、2歳から8歳の初めての接種の場合は、4週間以上の間隔を空けて2回接種する必要があります。

ただし、フルミストは弱毒生ワクチンであり、接種後に咳や鼻水、胃部不快感などの症状が現れることがあります。また、強い卵アレルギーや喘息の方、妊婦の方などは接種の対象外となります。

ポイント

フルミストは2013年からフルミスト4価として提供されています。現在のインフルエンザワクチンは3価ワクチンで、A型(新型H1N1、香港型H3N2)とB型の一つを含んでいます。 B型インフルエンザは、ヤマガタ株とヴィクトリア株の2つのウイルスが存在しますが、現行のワクチンではそのうちの一方のみを含めることができます。そのため、B型に対する予防効果は年によっては限定的になる可能性があります。適切なB型ウイルスを選ぶことが難しく、予防効果が低下する場合があります。 しかし、フルミスト4価はB型のヤマガタ株とヴィクトリア株の両方を含んでいるため、A型2つとB型2つの計4つのウイルスに対して予防効果を持っています。これにより、より幅広いインフルエンザウイルスに対する予防が可能となりました。 フルミスト4価は、米国で初めて認可されたワクチンであり、A型とB型の両方に対する予防効果が高いことで知られています。これにより、より効果的なインフルエンザ予防が可能になり、B型による流行のリスクを低減することが期待されます。

対象外とされる方

2歳未満および50歳以上の方:フルミストの接種は2歳から50歳までの範囲で行われます。

  • 喘鳴がある方:喘鳴(ぜんめい)が現在の症状としてある場合は、接種が対象外となります。
  • ギラン・バレー症候群の経験がある方:ギラン・バレー症候群の既往歴がある場合は、接種が対象外となります。
  • 糖尿病をお持ちの方:糖尿病の方は、接種について医師と相談する必要があります。
  • 妊娠中または2歳以下のお子さんに授乳中の女性:妊娠中および2歳以下の子供を授乳中の女性は、接種が対象外となります。
  • タミフルなどインフルエンザの薬を服用中の方:インフルエンザの治療薬を服用中の方は、接種が対象外となります。
  • 白血病またはその疾患の方と同居している:白血病またはその他の関連疾患を持つ方と同居している場合は、接種が対象外となります。

注意が必要な方

  • 強い卵アレルギーがある方:強い卵アレルギーのある方は、接種に注意が必要です。
  • 抗生剤のゲンタマイシン、ゼラチンアルギニンにアレルギーがある方:ゲンタマイシンやゼラチンアルギニンにアレルギーがある場合は、接種に注意が必要です。
  • 2歳から17歳でアスピリンかアスピリンを含んだ薬を服用している方:2歳から17歳までの年齢でアスピリンまたはアスピリンを含む薬を服用している場合は、接種に注意が必要です。
  • 5歳以下の子供で、以前に喘鳴の経験がある方:以前に喘鳴の経験がある5歳以下の子供は、接種に注意が必要です。

ワクチンの同時接種について

ワクチンの同時接種は危険ですか?

ワクチンの同時接種は一般的に安全であり、多くの場合、推奨されています。実際、同時接種は予防接種のスケジュールを簡素化し、予防接種のカバレッジを高めるために行われています。

ワクチンの同時接種によるリスクは非常に低いです。研究によれば、複数のワクチンを同時に接種することは、個々のワクチンを個別に接種するよりも副反応のリスクを増加させることはありません。副反応の頻度や重症度についても、同時接種と個別接種の間に有意な違いは見られませんでした。

ワクチンの同時接種は、子供や大人が必要な予防接種を適切な時期に受けることを助けます。医師や医療専門家は、個々の患者の状態やワクチンの特性に基づいて、最適な予防接種スケジュールを提案します。

ただし、特定の状況や個別の医学的な要件によっては、ワクチンの同時接種が適さない場合もあります。医師に相談し、個々の状況に合わせた最適な接種スケジュールを確認することが重要です。

総じて言えるのは、ワクチンの同時接種は一般的に安全であり、予防接種の効果を高める重要な方法であるということです。